研究ノート
当分野での研究をレビューしています。
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平成16年度のトピックス:
2000年の有珠山噴火は,樹木と菌根菌との共生を理解するのに,貴重なフィールドを提供してくれました。ダイナミックな攪乱をうけた土地での,植生回復初期段階と菌根共生の実態が,少しずつ明らかになってきました。継続して今後も取り組みます。火山性荒廃地として北海道恵山をフィールドに、ツツジ類の生息環境と菌根相との関わりを検討しました。
強酸性土壌での植生と菌根共生についての研究にも取り組みました。また,樹木の菌根共生のあり方が,実生の成立環境によってかなり異なっていることが,イタヤカエデを例に示されました。菌根の機能に関して,さまざまな課題が派生して来そうです。
針葉樹類稚樹の耐陰性の検討,エゾマツ実生根圏の微生物相,冬虫夏草の性状の検討,など生態学・分子生物学の手法による基礎的研究のほか,山菜・漢方薬のような多様な森林植物資源活用のための研究も行われました。
河畔林関連では、種と水分環境の違いによるリター分解速度、またヤナギ類の発芽・初期成長に水分環境が与える影響を実験的に確かめました。河畔林の生態的機能を明らかにする上で、重要な基礎であり、今後も引き続き解明に取り組みます。
一方では,緑化現場での実用化に向けた菌根の合成実験,針葉樹材培地を利用したきのこ栽培技術開発の試みなど,応用研究も成果を得ています。
幅広く,個性的な研究のラインナップをリストと要旨で確かめて下さい。
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